プロセスチーズ(英: Processed Cheese、加工チーズ)は、ナチュラルチーズを加熱溶解して乳化させることにより作られるチーズの種別。チェダーやコルビーなどを原料とし、オレンジ色に着色されている場合はアメリカンチーズ(英: American Cheese)とも呼ばれる。
1911年にスイス・Gerber社の Walter Gerber と Fritz Stattler によって発明された[1]。
プロセスチーズは大量生産に適しているため、ナチュラルチーズよりも短時間で安価に製造することができる。プロセスチーズは、複数のナチュラルチーズを加熱溶解し、水分と油が分離しないように乳化剤を混ぜ合わせることで製造される。乳化剤にはクエン酸塩やリン酸塩などが用いられる[2]。また、様々な用途に合わせて植物油、着色料、pH調整剤やでん粉などの添加物が添加されることがある。
チーズを加熱溶解する過程で細菌を不活化し、酵素を変性させるので熟成が止まるが、長期保存が可能になり味が均質になる。扇形やスライスチーズなどの様々な形に成形したり、中にナッツやフルーツなどを混ぜたりできるようになる。また、ナチュラルチーズと違い、加熱しても油が分離せず、味や食感の変化がない。
ナチュラルチーズを加熱すると、チーズに含まれるカゼインを構成するアミノ酸の鎖がほぐれてとろけるが、プロセスチーズはすでに加熱してあるので、とろけない。半加熱状態でプロセスチーズを作ることで「とろけるスライスチーズ」を作る技術は、1987年に雪印が世界で初めて実用化した[要出典]。