
一口目で輪郭がはっきり立ち、温度が落ちても甘みが残る。
エスプレッソの核は「濃度」だけではなく、時間の中で変わる表情にあります。
ここでは、当店の深煎りブレンド Deep Motion を主役に、
家庭でも再現しやすいエスプレッソの考え方をまとめました。
Deep Motion がエスプレッソに向く理由
- 焙煎設計:中深〜深煎り域で、凝縮感と甘みの両立を狙ったプロファイル。
- 風味骨格:カカオ〜ビターチョコの厚み、低酸でミルクにも負けない輪郭。
- 温度変化:ショット直後の力強さから、温度が下がると黒糖様の甘みが前景化。
クレマの厚み、苦味のバランス、重厚感。
ディープ・モーションは、日々のルーティンを力強く後押しするNOKORIオリジナルの深煎りエスプレッソブレンド。
ビターチョコ、ダークチェリー、黒糖のような奥行きのある味わいが特徴です。
レシピの基準(ダブルショット)
項目 | 目安 | ねらい |
粉量(イン) | 18 g | 深煎りの密度に合わせたバスケット充填 |
抽出量(アウト) | 36 g | 1:2 比率で甘みと厚みのバランス |
時間 | 27–30 秒 | 過抽出/過短を避けてコクと甘みを両立 |
湯温 | 92–93 ℃ | 苦味の角を立てずに香味を引き出す |
調整の指針:
ショットが速い→挽きを細かく/タンピングを丁寧に。
ショットが遅い→挽きを粗く/粉量や分布のムラを見直し。
テイスティングの見方(3口で評価)
- 1口目(抽出直後):ボディとクレマの質感。刺激が強ければ比率または湯温を見直し。
- 2口目(30–40秒後):甘みの立ち上がり。Deep Motion はここで黒糖様の甘みが出るのが目安。
- 3口目(やや温度低下):後味の清潔さ。渋みが残るなら時間を短く、酸が浮くなら時間を長く。
ミルクとの相性(カフェラテ/カプチーノ)

ラテ(180–220ml):
ショットは基準のまま、ミルクは60–65℃で甘みを引き出す。Deep Motion のカカオとミルクの乳糖甘味が重なり、菓子と好相性。
カプチーノ(150–180ml):
フォームはきめ細かく薄めに。ショットを1:1.8程度(36→32–33g)にして厚みを残す選択肢も有効。
よくあるトラブルと対処
症状 | 原因の例 | 対処 |
苦味が尖る | 時間長すぎ/湯温高すぎ/挽き細かすぎ | 抽出比を1:1.8へ/湯温-1℃/挽きを一段粗く |
酸が浮く | 時間短すぎ/挽き粗すぎ | 抽出時間+2秒/挽きを一段細かく |
薄い・水っぽい | 粉量不足/分布ムラ(チャネリング) | 18g厳守・WDT等で分布均一化/タンピング面を水平に |
ペアリングとシーン

ビターチョコ/ガトーショコラ:
カカオの層が重なり、余韻が長い。
キャラメル・ナッツ系:
Deep Motion の黒糖系の甘みと調和。
食後の一杯:
ショートで輪郭、ラテでやわらぎを。
まとめ
比率・時間・温度。三つの基準が定まると、エスプレッソは安定します。
Deep Motion はその基準を支える骨格と甘みを備え、ミルクにも負けません。
まずは 18g → 36g / 27–30秒 を出発点に、ご家庭のマシンに合わせて微調整してみてください。
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